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2018年07月13日

生活の質が上がると、仕事の質も上がる―3社に聞く「働きやすい環境」座談会

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少子高齢化が進み労働人口が減少していく日本。人材確保や従業員の定着率、エンゲージメント向上の観点から、働きやすい環境づくりが求められています。しかし、生産性を上げるための施策は無数にあるため、「どんな手法が自社に適しているか分からない」と悩んでいる人事担当者や経営者も多いはず。

そこで今回は、「働きやすい環境」作りを積極的に行っている株式会社ブレイブソフト、NHN JAPAN株式会社、株式会社FiNCの3社にお集まりいただき「働きやすい環境を作るには?」というテーマで座談会を行いました。前半では人事労務担当者から、後半では実際に現場で働いている社員から率直なご意見を伺いました。

部署を越えたコミュニケーションを促進する各種制度

NHN JAPAN クリエイティブセンターCXチーム 平田 真理子氏

——早速ですが、皆さんの会社では、「働きやすい環境」を作るために具体的にどのようなことをされていますか?

NHN JAPAN平田:弊社の場合、社員同士が気軽にコミュニケーションを取れるよう社内にカフェを設置しています。イベントができるように最新のAV機器や音響設備も備えています。あとは、ファミリーデーやフレンズデーを作ってオフィスを開放するイベントを開催しています。

FiNC中山:フレンズデー?

NHN JAPAN平田:はい。ファミリーデーはよくありますよね。フレンズデーは、社員の友達や恋人など「社員の大切な人」なら誰でも参加できるイベントです。

FiNC中山:おもしろいですね。

NHN JAPAN平田:家族や友人を自身が働いている会社に呼ぶ機会は少ないですよね。大切な人から「いいオフィスだね、いい会社だね」と言ってもらえると社員の働くモチベーションも上がると思います。

ブレイブソフト星:うちも社内イベントは積極的にやっています。社員数が50人強の会社なんですが、社員が一体感を持って動きたいと思っていて。

株式会社ブレイブソフト取締役 人材戦略本部長 星 達也氏

ブレイブソフト星:昨年は、全社員が浴衣で出社する夏祭りを実施しました。社員と仕事以外の部分でコミュニケーションをとれる機会を作り、人となりが分かった状態で業務を行えるといいなと。

部署ごとで仕事が縦割りだと、部署間のコミュニケーションが起きにくいですよね。「名前は分かるけど、あの人よく分からないな」という状態のままだと、いざ連携が必要になったときに円滑に進めることが難しい。ですので、こういったイベントで部署関係なくチームを組んだりしています。

株式会社FiNC 執行役員CHO 人事戦略本部 中山 理香氏

——FiNCさんは昨年から子育てのサポート施策に力を入れはじめたのですよね?

FiNC中山:はい。「FiNC Smile」という人事制度の中に6つの子育てサポート制度を導入しました。

1つは、出産立会い休暇。お父さんが出産立ち会いのための休みを自由にとっていいという制度です。2日間の有給休暇が付与されます。

2つめは、キッズバースデー休暇。子どもの誕生日に有給休暇を取れる制度です。

3つめは、無料キッズトレーニング。社内にトレーニングルームがあるんですけど、そこで社員の子どもが月1回無料でトレーニングを受けられる制度です。

4つめは、ベビーシッター代補助。毎月のベビーシッター代の補助を出す制度です。

5つめは、家事代行補助。家事代行費用の一部を負担する制度です。

最後に子ども手当です。お子さん1人につき1万5,000円を支給し、子育ての経済的負担をサポートする制度です。

「出産や育児などのライフイベントを経ても安心して働き続けて欲しい」という想いからこの制度が導入されています。

NHN JAPAN平田:実際に導入してどういった効果がありましたか?

FiNC中山:これらの制度を活用するときは申請が必要なんですが、申請していただくことによって社員の家庭環境や現在のライフステージを知ることができます。

申請の際に「子どもは何歳になったの?」や「そろそろ反抗期でしょう」など、社員同士でも自然に会話が生まれているんです。こういったコミュニケーションがあるからか、制度を使用した本人はもちろん、一緒に働くチームの心理的安全性が生まれて、働きやすい環境が醸成されています。

経営陣の意見だけを参考にはしない

——「働きやすい環境」を実現するために大切にしていることはありますか?

FiNC中山:「事業成長のための環境作り」という軸からはぶれないようにしています。「この制度を導入して社員の心配を取り除いてあげた方が、最終的に社員のアウトプットの質が上がる」というジャッジはしているので、なんでも社員の要望を叶えているわけではありません。環境作りはあくまで社員の生産性向上。その目的は見失わないよう心がけています。

「毎日行きたくなる職場作り」も意識しています。出社が楽しみになる会社が理想です。その実現方法としては、業務内容や人、福利厚生、制度など色々ありますけど。

NHN JAPAN平田:同感です。うちのオフィスも”セカンドホーム”がコンセプト。「働きやすい環境」を「業務に取り組みやすい環境」と捉えれば、オフィス環境は大切。なぜならオフィスは家と同じくらい長い時間過ごす場所だからです。どんなにおしゃれなオフィスでも、仕事がはかどらなければいいオフィスとは言えませんよね。

なので、弊社では業務用の机の幅にまでこだわっています。具体的には、机の幅を1,600mm確保し、デュアルモニタでも快適に作業ができるようにしています。また、パーテーションの高さも絶妙です。姿勢を正すとオフィス全体が見渡せますし、PC画面に集中すると周りの視線が気にならないようになっています。

——素晴らしいですね。

NHN JAPAN平田:何か新しいものを導入する際には経営陣の意見だけでなく、現場の声にも耳を傾けるようにしています。さっきのパーテーションの話でいうと、経営陣としてはパーテーションがないほうが全体を見渡しやすいので、マネジメントしやすい。しかし、現場の社員としては集中できる環境が欲しい。結果的には、社員の声を尊重して、パーテーションで作業スペースを区切る判断をしました。

FiNC中山:私たちが制度を導入する際は、公平さを意識しています。弊社には正社員、派遣社員、業務委託、アルバイト、インターンと多様な雇用形態の従業員が働いていますが、雇用形態に関わらずみんなが公平に制度を利用できるように心がけています。

NHN JAPAN平田:いいですね。

ブレイブソフト星:弊社は気を付けていることは特にないですね。むしろなんでもやってみる。目的を実現するために試験運用してみて、ダメだったらやめる。それを繰り返しています。

社員の生活の質が上がると、仕事の質も上がる

株式会社ブレイブソフト イベントス事業部/PRチームリーダー 村山 拓平氏

——ここからは現場社員の方にお話を伺います。皆さんが実際に活用している福利厚生や制度について教えてください。

ブレイブソフト村山:僕はまだ活用していないんですが、うちの会社で一番人気なのは住宅手当ですね。会社の所在地から半径2km以内に住む場合、家賃15万円までなら会社が家賃を半額負担してくれるんです。なので、最大7万5,000円ですね。

NHNテコラス株式会社 マネージドサービス事業部CSチーム 佐藤 菜々子氏

NHN テコラス佐藤:住宅手当、いいですね!NHN JAPANグループは韓国人の社員が多いので、韓国語講座を受講できる制度があります。実際に私も受講しているのですが、語学の習得はもちろん、「他部署の方と交流できる」ということにも魅力を感じている人が多い印象です。個人で講座を探すより手間がないのもいいですよね。講座で韓国語を覚えたおかげで、韓国人の同期とも仲良くなれました。

ブレイブソフト村山:社内のコミュニケーションも活性化するし、語学力も身につくし、一石二鳥ですね。さっき言い忘れたのでもう一つ。先ほど住宅手当の話をしましたけど、僕が個人的に気に入っているのが、飴玉が食べ放題。ささいなことかもしれませんが、日々必要なものが無料で利用できるのは重要ですよね。

株式会社FiNC QA室 神田 智史氏

——たしかに。オフィスに飴玉があったら毎日食べてしまいそうですね。ちなみに、神田さんは利用している制度はありますか?

FiNC神田:僕は育休制度を利用していました。転職活動をしているとき、ちょうど子どもが生まれるタイミングだったんですね。内定をもらった会社は他にもあったのですが、FiNCの人事担当の方に、「ちょうどいい制度ができたんです。ぜひ活用してください」と教えていただいて。最終的に子育てサポートの手厚さでFiNCを選びました。

ブレイブソフト村山:実際に育休を申請する際に、現場の上司に嫌な顔をされませんでしたか?

FiNC神田:されてないです。入社前の事情も現場の上司やメンバーにも事前に伝えてもらっていたので。結果的には、入社2ヵ月後くらいに子どもが生まれ、2ヵ月間育休をとることができました。

株式会社FiNC プロダクト本部技術開発部アプリサーバーグループ 森 久太郎氏

FiNC森:度々FiNCの話で恐縮です。私は家事代行補助を活用しているんですが、いい制度だなと思うんです。家事は自分でもできるじゃないですか。でも代行してもらうと時間に余裕ができ、違うことに使える時間が増えます。それが結果として生活の質向上に繋がる。また生活の質が上がると、仕事の質が良くなります。この好循環を生み出せるいい制度だと思います。

NHN テコラス佐藤:たしかにそうですね。

FiNC森:ただ経費精算にやや手間がかかるので、いい制度だからこそもっと清算しやすく気軽に利用できるようになるといいなとは思っています。

小さな気遣いが「働きやすい環境」を作る

——極端な質問ですが、なくなってしまうと困る自社の福利厚生や制度、もしくは風土・環境はありますか?

ブレイブソフト村山:「やらせてください」と発言したら任せてくれる風土ですね。手を挙げて失敗することもあるんですけど、失敗してもセカンドチャンスがもらえる。成長できる環境がなくなったら僕は嫌ですね。

FiNC森:風土や環境は大事ですよね。僕は椅子がなくなったら困りますね。ハーマンミラーの椅子なんですけど、猫背を防いでくれるし、長時間座っていても辛くならないんです。もし、ハーマンミラーの椅子がなくなったら辛い・・・。

NHN テコラス佐藤:私は清潔さがなくなったら嫌ですね。最近気づいたんですけど、カフェの机ごとに除菌ティッシュが置いてあったり、トイレにうがい用の紙コップがあったり、弊社のオフィスの至るところに清潔さを保つための小さい気遣いがされているんです。
小さいんですけど、その積み重ねが「働きやすい環境」に繋がるのかなと思うので。

FiNC森:そうですよね。

ブレイブソフト村山:そう考えると、やっぱりウォーターサーバーとか飴玉食べ放題はなくなったら嫌ですね。

NHN テコラス佐藤:飴玉がお好きなんですね。

ブレイブソフト村山:はい。

FiNC森:そういった身近に活用できるものから、「環境を整える」ことは重要なのかもしれませんね。

「働きやすい環境」を実現するために

今回、「働きやすい環境を作るには」というテーマでお話を伺いました。当たり前かもしれませんが、制度を現場社員と一緒に考えてみることで、「働きやすい環境」の実現へ近づき、組織全体の生産性向上につながるのかもしれません。

文:木村 和博

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