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成長するために必要なこと

2018年09月26日

心の声に従うことで「自分らしさ」が身に付く。経営も人生も上手くいくマインドづくり

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勝屋久さん
目まぐるしいスピードで変化する昨今のビジネストレンド。5年後、3年後も予測できない今、これからの経営者は、どのようなマインドで事業を成功に導けばよいのでしょうか。

スタートアップの相談役、アーティスト、また独自の職業「プロフェッショナル・コネクタ」など幅広い顔を持ち、数々の経営者とさまざまな立場で向き合ってきた勝屋久さんは、欲求に正直であること、つまり経営者が自分らしくあることが、事業の成功には不可欠だと言います。

その勝屋さんに、仕事における夢や目標を明確化するために必要な「自分らしさ」の身につけ方を伺いました。

勝屋 久(かつやひさし) 勝屋久事務所代表/アーティスト

1962年東京生まれ。上智大学理工学部数学科卒業後、日本IBMにて25年間勤務。2000年IBM Venture Capital Group パートナー日本代表、経済産業省IPA未踏IT人材発掘・育成事業プロジェクトマネージャなどを経て、2010年8月に独立。生き方そのものを職業として夫婦で活動中。2014年から本格的にアーティストとしても活動開始。(株)アカツキ(証券コード3932) 社外取締役、(株)クエステトラ 社外取締役、(株)マクアケ 非常勤役員、(株)エーゼロ 非常勤役員、ビジネス・ブレークスルー大学客員教授、富山県立大学MOT非常勤講師、KATSUYA♡学院共同創業者、総務省地域情報化アドバイザー、福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議理事・ビジネスプロデューサー、鯖江市NPO法人エル・コミュニュティ理事など多様な顔もある。

自分らしさの必要性に気づかされた3つの出来事

勝屋久さん
勝屋久さん

――IBMでの安定した会社員生活から、なぜ、どのようにして独立されたのですか?

まず大前提として、僕はそれほど優秀な会社員ではありませんでした。出世コースから外れ、多くの人が描く「家庭・マイホーム・会社でのポジションを手に入れ、お金を稼いで優雅な生活をする」というような夢が叶わなくなってしまったんです。コンプレックスを抱え、会社をサボることもありましたが、そこから今の状態に至るまでに、大きく3つのきっかけがありました。

まず1つは、1999年、当時の上長が「これからはITの時代だ。スタートアップへの営業チームを作る」と言って、僕をリーダーに任命してくれたこと。そこで多くのスタートアップの社長たちと出会った衝撃は、今でも忘れられません。彼らはみんな、目がキラキラと輝いていた。お金もないし事業も安定していないのに、心から楽しそうでした。僕が生きてきたような「肩書でつながる世界」とは違う世界を初めて知り、自分がいかに他人を「ラベル」と「機能」と「メリット」だけで見ていたかということに気づかされました。そこで初めて「自分の人生は本当にこれでいいのか?」と感じたんです。

それをきっかけに立ち上げたのが、スタートアップ経営者を中心に魅力的な方々を繋げる「Venture BEAT Project」というコミュニュティ。オープンイノベーションの先駆けにあたるようなコミュニュティで、そこで出会った企業がどんどん成長し、資金調達やM&Aに成功したり、上場したりする。その度に驚かされました。

――2つ目、3つ目のきっかけは何ですか?
2つ目は、2人のメンターとの出会いです。40代の半ば、後に僕のメンターとなる方が開催するワークショップにご縁を頂き参加しました。最初は懐疑的だったのですが、僕はそこで感情がオープンになり、号泣してしまった。立場も肩書も年齢も関係なく心をさらけ出したことで、人間はみんな同じということを実感できたんです。そんな体験は初めてでした。

こちらが感情を出すと、相手も感情を見せてくれる。40年以上生きてきて、自分を幸せにするのは自分の心の在り方次第なんだと気づいたんです。悲しいことに、2人のメンターのうち1人は亡くなりましたが、1人は後に僕の妻になりました。今、とても幸せです。

3つ目は、リストラです。ある日突然、会社から「自主退社するかどうかを一週間で決めてください」と言われました。退職金と貯金を足しても、ほぼローンと同じ金額。人生が怖くなり、葛藤しました。

ちょうどその頃、かつての上司の結婚式でアリゾナに招かれ、海外で自分を見つめ直したいと思い参加しました。しかし海外滞在中は毎日ボーッとするばかり。辛くて死にたくなったりさえしましたが、一緒に来ていた未来の妻が「自主退社してもいいよ。私が働くから。あなたには可能性があるよ」と言ってくれたんです。それまでの僕は、女性はお金と権力がある男性が好きなものだと思いこんでいました。その固定観念が覆され、初めて「自分は許された存在なんだ」と感じ、生きる力をもらいました。

辞表を出し、ローンを払って、ゼロからのスタート。けれど困ったことに、自分のやりたいことが全くない。そんな悩みを話していたら、たまたま一緒に飲んでいた株式会社セプテーニ・ホールディングスの佐藤 光紀社長が「勝屋さんは人と人を繋げるのが好きだから“プロフェッショナル・コネクタ”という仕事を作ってみたら?」と言ってくれて、その気になっちゃったんです。48歳のことでした。

経営に不可欠な「心が通い合うチーム」の作り方

勝屋久さん

――以降、これまでさまざまな働き方を経験されていますが、その中で常に大事にされてきたことは何ですか?

一昔前の会社は、「市場」「差別化戦略」「経営チーム」の3つが揃えばうまくいくとされましたが、現代の経営者に問われているのは、チームメンバーを大事にできるかどうか。そこに経営者としての真価や意識の高さが表れる時代だと私は思います。ですので、一番に大事にしてきたのは「心(愛)あるチーム作り」です。

――チームでビジネスをする際に、心がけるべきことはありますか?

自分だけの価値観で物事を進めないことです。自分の信念が本当に正しいかを疑う。他者をコントロールしない。そして、製品サービスの質だけでなく、メンバーみんなが進化する楽しい空気感や文化を作っていく。こうした対等なチーム作りが必要になってきます。

勝屋久さん

ここでは、仕事における縦軸を「自分軸」、横軸を「他人軸」と考えて説明しますが、今は一人一人が「縦軸=自分軸」を持つことを意識すべき時代です。

「縦軸」は、「自分はこれがやりたい」「自分はこんな人間だ」といった自分の欲求に直結します。経営者にとっては、自分の会社のビジョンや、誰にとっての何のための事業であるか、ビジネスを通して作り出したい世界観は何かというような心のイメージの軸であり、これを強く持つことが大切です。

しかし多くの人は、顧客・マーケット層の評価といった「横軸=他人軸」を基準にしています。そうなると、コミュニケーションや営業手法は表面的なものになってしまいます。その結果、気持ちが入らない形だけのビジネスになってしまう。それではチームで喜びを分かち合うことなどできません。経営者をはじめ、チームメンバー一人一人が「縦軸」を持ち、それが「横軸」と心(愛)で交わることで、チームワークが増幅していい流れが生まれるのです。

――チームメンバーとよい関係を築くコツはありますか?

まず、チームメンバーや取引先に嫌な人がいたら、なぜその人のことが嫌なのかを突き詰めて考えてみます。その理由は、得てして自分の固定観念であることが多い。「嫌い」という感情と向き合うことで、自分自身の思い込みに気付くこともあります。

また、意見が合わなくても衝動的にぶつかってはいけません。一呼吸置き、相手が本当は何を伝えたいと思っているのか、本音を感じてみる。そして相手の本音を受け取ることができたら、「ありがとう」を言う。そうやって気持ちの交換をしていくことで、関係がぐっと近くなります。相手を立てる礼儀を大切にし、立場を超えて心がつながることで、よいチームができていくのです。

自分の心に従えば、お金は自然と巡ってくる

勝屋久さん

――チームの大切さはもちろん、事業には当然「先立つ物」も必要です。お金との付き合い方で重要なことは何でしょうか?

僕は48歳でリストラされ、肩書きと財産を全て失ったことをきっかけに、お金は自分たちのために使おうと思うようになりました。例えば、移動のときにグリーン車やビジネスクラスに乗るようにしたり、居心地のいいマンションに引っ越したり。最初は欲求に正直に生きることに引け目を感じていましたが、ランクの高いサービスに身を置くことで徐々にその環境に合う振る舞いをするようになると、自然とお金の巡りも良くなっていきました。

お金とは、自分のエネルギーを充電するものです。見栄を張るためではなく、自分の気持ちが上向きになる使い方をすることが大切だと思います。

――逆に、エネルギーを下げてしまうようなお金の使い方とはどんなものでしょう?

義理でお金を使うことですね。心が動いていないクラウドファンディングへの参加や、形式ばかりのお土産、気乗りのしないイベントへの参加などにお金を使うのは良くありません。これは、「横軸=他人軸」が基準になってしまっているということです。せっかく自分の時間を使って得たお金を心が擦り減るようなことに使ってしまっては、お金が泣いてしまいますし、お金で繋がっている関係しか築けません。

「縦軸=自分軸」に従って、自分が喜ぶことにお金を使う。すべて自分の心に従うと、お金も仲間も家族も、すべてにおいてよい巡りができます。これは、経営者だろうが民間企業の社員だろうが公務員だろうが、どんな立場の方でも同じです。

自分のやりたいことに、正直に耳をすます

勝屋久さん

――では、自分軸で行動するためには、どういったことが必要ですか?

「こうしてみたいな」と思ったら、とりあえずやってみる。気になる駅で途中下車して一駅歩いてみるとか、休みを取って自然の中に出かけるとか、気になったケーキを買って帰って食べるとか。そういう小さな欲求に耳をすまし続け、欲求を行動に移すことに心と体を慣らしていきます。僕は怖がりなので、そうやってクセをつけていくことで、固定観念による不安と冷静に向き合って、大きな決断ができるようになりました。

僕は今でも固定観念や思い込みをたくさん持っていますが、人は固定概念をまとうことで自己防衛をしているという事実を知っています。昔の自分は、上のイラストの左側。ガチガチに固定観念に閉じこもっているのに、自分を生きているつもりでした。不安を避けて、安定した収入を得られる仕事につきました。恥をかきたくないから、会議で違う考えを発言しませんでした。責任を取るのが怖いから、判断を他人に任せ、悲しみたくないから人間関係を深めませんでした。未来に対する恐怖がいっぱいで、自己防衛をしていました。すべて無意識のことです。

人間はみな、ダイヤモンドのような輝く本質を持っています。それは、純粋に何かをやりたいという情熱のようなもの。けれどもその本質に、肩書やラベルやメリットなどといった固定観念が覆いかぶさり、本質が隠れた「偽ダイヤ」ばかりを追ってしまっているんです。

自分のやりたいことは何かに耳をすまし、心の声に従う。そうすることで、少しずつ「自分らしさ」で生きられるようになり、そうすることによって、ダイヤのように輝く人生や経営を実現することができるのです。

勝屋久さん

文:河野 桃子

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