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成長するために必要なこと

2018年11月15日

ヨーロッパ自転車旅と協賛集めの経験から学んだこと #1 はじめに

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プロフィール 中村 洋太BizTERRACEマガジン副編集長
プロライター。旅行情報誌の編集とツアーコンダクターの経験を経て、ライターとして独立。これまでに自転車で西ヨーロッパ一周、アメリカ西海岸縦断、台湾一周達成したほか、東海道五十三次600km 徒歩の旅も。詳細のプロフィールはこちら プロライター。旅行情報誌の編集とツアーコンダクターの経験を経て、ライターとして独立。詳細のプロフィールはこちら
中村さん
2010年8月、ドイツ・ボンにて

2010年、大学4年生だったぼくは「ツール・ド・ヨーロッパ」と題して、自転車で西ヨーロッパ一周の旅に出ました。

この8年も前の話を今になって連載するのは、単に旅行記をシェアしたいからではありません。 旅の「資金集め」に奔走するなかで学んだ大切なことを、多くの方に伝えたいと思ったからです。ぼくは旅費の全てを、企業や個人からの協賛で集めました。

「自転車でヨーロッパを旅したい」。学生の自分にはお金も人脈もなかったけど、夢だけはありました。そして旅の実現に向けて行動を続けた結果、奇跡とも呼べるようなことが次々と起きていったのです。

講演会などで話をすると、ありがたいことに「このエピソードには人に勇気と感動を与えるパワーがある」「いつか本にしなさい」と言ってくださった方々もいらっしゃいます。未だに「協賛を集めた話を聞かせてほしい」と連絡を受けることもあるので、社会人も経験したこの機会に、あらためて当時の出来事を振り返ることにしました。

自転車でヨーロッパを旅したい

「洋太くん、やるなら学生のうちだよ!」

大学へと向かう電車の中、その朝言われた言葉を何度も思い出していました。

(やるなら学生のうち、か・・・)

2010年1月31日の朝。ぼくは社会人が集まる異業種交流会に参加していました。「実際に働いている方々の声は、何かしら就職活動の参考になるだろう」と、兄が連れて行ってくれたのです。

普段会わない方々との話に興奮していたのか、主催者の方にご挨拶した際、ぼくはなぜか自分の夢について話していました。

「いつか自転車でヨーロッパを周りたいんです!」

「そうか! いつ行くつもりなの?」

「えっ、いつ? 就職して、ある程度お金が貯まったら行こうかと・・・」

「それじゃダメだ」

「え?」

「やるなら学生のうちだよ! 就職したら、そんなに長い休みは取れないから」

「そうか、社会人になったら何ヵ月も休めないのか」

だとすれば、半年後に控える大学最後の夏休みに行くしかありません。急に具体的な期日が設定され、ぼくは戸惑いました。

(でも、100万円前後の旅行資金をどうすれば・・・)

これから就活が本格化するなかでバイトはほとんど入れられないし、そもそも夏までに内定が出なかったら旅している場合じゃない。それに研究室の配属次第では、夏休みに合宿が重なってしまう・・・。

「できない理由」を探せば、キリがありませんでした。

そんなとき思い出したのが、冒険家・植村直巳の言葉です。若かりし頃の彼は、ヨーロッパ・アルプスで氷河を見ることに憧れていました。

資金はありません。しかしそれでも諦めず、「生活水準の高いアメリカで高い賃金を稼ぎ、パンとキュウリを食べて支出を減らせば、ヨーロッパ・アルプス山行の金がたまるのではないか」ということを考えつきました。

「ヨーロッパ山行まで、何年かかるかしれないが、とにかく日本を出ることだ。英語ができない、フランス語ができないなどといっていたら、一生外国など行けないのだ。男は、一度は体をはって冒険をやるべきだ。」(植村直己 「青春を山に賭けて」より)

この言葉が、奮い立たせてくれました。ぼくは自転車でヨーロッパを旅したい。できない理由を探しても仕方ない。どうしたら実現できるか、それだけを考えることにしました。一番の課題は旅行資金をどう貯めるか。きっと何か、解決策があるはずです。

スポンサーで旅費を集める

頭に浮かんだのは、一か八かのアイデアでした。

(自分の旅に対して、企業スポンサーを付けられないだろうか?)

今であれば、そこまで珍しい発想ではありません。しかし、2010年当時はまだ「クラウドファンディング」という言葉すら一般的ではなく、「やりたいことがあれば、自分でお金を貯めてやる」のが普通のこと。ぼくのアイデアは、現実的ではない発想と見なされました。

「何の実績もない無名の大学生に、スポンサーなんて付くわけがない」

それが周囲の反応でしたが、「おもしろい!」と言ってくれる方々もいました。うまくいくかどうかは、やってみなければわからないはずです。知識もお金もゼロの状態から、企画書を作り、必死に協賛集めをはじめました。

中村さん
旅の企画書は、7回書き直してようやく完成した

社会課題に絡めて自分の夢を語り、行動し続けた日々。半年後、企画したヨーロッパ自転車旅には15社の企業協賛と約300名からの個人協賛が付き、集まった資金で旅費を賄うことができました。

その半年間、困難にぶつかることもありましたが、良き人たちとの出会いや、忘れられない出来事がたくさん起きました。

そもそも、なぜヨーロッパを自転車で走ろうと思ったのか? 「協賛を集める」という発想がどこから生まれ、応援してもらうためにどう工夫したか? 大学生なりに考えた戦略は? そして行動や失敗からどんなことを学んだのか?・・・

中村さん
伝えたいのは、「好きなこと・やりたいことに挑戦する楽しさ」です。本連載を通して、何かにチャレンジする人が少しでも増えてほしい。そう願いながら、物語に入っていきたいと思います。

話は2009年、大学3年生の夏に遡ります。

(#2につづく)

文:中村洋太

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