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2018年11月27日

【美人起業家対談 #01】猪熊真理子✖七尾エレナ 前編

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美人起業家

女性の社会進出を応援するべく、若き女性起業家の対談企画の連載をスタート。記念すべき第一回目にご登場いただくのは、女性に特化したマーケティングやコンサルティングを手掛ける企業を経営する、OMOYA代表の猪熊真理子さんとプリンシパル代表の七尾エレナさん。

ともに20代で起業し、切磋琢磨し合ってきたふたり。「女性であること」は、起業や会社経営にとってハンデキャップとなったのか、それともプラスになったのか。『美人起業家』と呼ばれる、彼女たちの本音を語り合ってもらいました。

猪熊 真理子(いのくま まりこ)

1984年生まれ、香川県出身。学生時代に女性の自信形成に興味を持ち、大学では心理学を学ぶ。2007年、株式会社リクルートに入社。会社員の傍ら、「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトに女性支援の活動を行う。その後、2014年3月に株式会社OMOYAを設立。主に女性消費を得意とした経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティーマネジメント改革、企業内の女性活躍推進などを手がける。

七尾 エレナ(ななお えれな)

1989年フランス生まれ、北海道育ち。大学卒業後、株式会社マクロミルに入社し、大手広告代理店のマーケティングリサーチを担当。2013年、スマートフォンアプリを手がけるIT企業の雇われ社長に。2015年、女性に特化したマーケティングリサーチ事業を主幹とする株式会社プリンシパルを設立。メディア向けPR調査、グループインタビュー、デプスインタビュー、会場調査などを行う。

バレリーナを断念し、起業で自己表現を

七尾さん

――おふたりは、いつごろからのお知り合いなのでしょうか?

猪熊 4、5年前に女性支援のイベントで会ったのが最初かな?

七尾 はい。真理子さんのことはそれより前から存じ上げていて、ずっとお会いしたいと思っていました。その会で名刺交換をさせてもらってからのお付き合いですよね。

猪熊 私もエレナちゃんのことは知っていたけど、自分でマーケティングの会社を立ち上げたってことは、そのとき初めて知って。20代で起業しようと思った動機は何だったの?

七尾 自営業の家系ってこともあって、大学生の頃から漠然と「自分も起業したい」という思いが強くあったんです。子どもの頃はバレリーナ志望で、大学でもモデル活動のほか学生団体の一員として女性支援のイベントを運営するなど、もともと自分で何かを表現したり発信したりすることが好きでした。

バレリーナの道は険しくて断念しましたが、「起業も自己表現の一つなんじゃないか」と思って、最初の就職先は起業のノウハウを学べそうな会社(マクロミル)を選びました。そこでの経験や、雇われ社長時代の会社設立業務の経験が、今に生きている感じですね。

25歳で起業した「プリンシパル」では、女性に特化した市場調査をやっていて、例えばクライアントさんから新商品が出るときに、発売前にうちの女性モニタの方々にヒアリングしてレポーティングしたり、それをもとに商品改良をしたりする事業です。

猪熊 面白い事業だよね。マーケティングや市場調査の中でも「女性」に特化した理由は?

七尾 学生時代からの女性人脈があったし、女性に絞ることでモニタ管理のコストダウンをできるという利点もありました。また、女性特化という色を打ち出せば、お客さまからの発注も受けやすいんじゃないかと思いまして。

マクロミル時代に身に付けたマーケティングリサーチのスキルを生かすべく、この業種を選びましたが、調査方法も独自性を出せるように意識しました。一般的な調査会社のようにただ数値やグラフだけを納品するんじゃなく、顔出しOKな女性モニタを集めることで、「マーケティングにも活用できて、PRのコンテンツにもなる」という納品形式にこだわっています。

真理子さんも女性に特化した分野で起業をされましたが、その動機は何だったんでしょう?

私が死んだ後にも残る仕組みにしないと意味がない

猪熊さん

猪熊 私が経営者になりたいと思ったのは、大学生のとき。「女性が自由に豊かに生きていける社会にしたい」という自分のミッションを大学生のときに見付けて、将来はそういう社会を作るための事業で起業しようと決めたの。

女性の役に立てるなら奉仕活動でもやりたかったんだけど、学生のうちはよくても社会人になったらちゃんと価値を創出して食べていけないと継続できない。自己実現だけでなく、「私が死んだ後にも残る仕組みにしないと意味がない」と思ったから、まずは経営者として必要なビジネスの仕組みや座組みを学ぶためにリクルートに入社して。そこで正社員として働きつつ、副業で一つ目の会社を起業したのが26歳のときだったの。

七尾 へえ、そうだったんですか。

猪熊 リクルートでは何百億円規模の事業戦略に携わり、それはそれでダイナミックで面白かったんだけど、その一方で、「もっと社会に貢献できて、役に立てる人の顔が見えるような手触り感のある事業をしたい」という思いもどんどん強くなっていって。

そんなとき、2013年に「女性の活躍」が、安倍内閣の成長戦略のひとつとして盛り込まれて、私がやりたかった女性支援というテーマでの時代の流れが加速していくなと思ったの。

オリンピックが決まったのもちょうどこの頃で、当時1社目の会社を起業していて、すでに副業では会社経営を始めていたのだけれど、「これは副業では間に合わない。本業でやっていかないと時代を作っていくことができない」と感じて、29歳のときに独立起業したのよ。

七尾 それが「OMOYA」ですね。

猪熊 うん。現在は複数社を経営しているけど、中心となるOMOYAの事業内容は、経営コンサルティングと、主に女性商品向けの企画マーケティングと、文化人のマネジメント。あとは女性活躍支援として、企業で働く女性のための活躍推進のコンサルティングや講演、女性の起業支援を行うほか、社会人女性の学びの場である女子未来大学の運営などもしているの。

女性が起業するのは、苦労よりもメリットの方が多い

美人起業家

七尾 私は今の会社を起業するとき、どこからも出資を受けずに、自分のお金で始めたんですよ。でも、無知なまま始めたから、途中でお金が足りなくなっちゃって、親から借りる羽目になりました。

あとは、自己資金で始めたのに、「後ろにスポンサーのおじさんがいるんじゃない?」みたいに言われて悔しい思いをしたこともあります(笑)。真理子さんは起業当初、どんな苦労をされましたか?

猪熊 正直、苦労らしい苦労というのはあまりないのだけれど。女性が社会の中で活躍するという意味では、私たちの先輩の女性たちが道を切り拓いてくださったおかげで、私たちぐらいの世代からは割と、自分らしく働ける環境が整ってきている気がする。

実際、女性であることのメリットを受ける機会の方が多いとも思うしね。男性が多い経営者の会の中で「女性の意見も聞きたい」ということで、いろんな場に呼んでもらえたり。

七尾 確かに、こうして取材をしていただく機会も多く、広告費をかけずに社名や事業をPRできたりするのは女性ならではのメリットかも。起業家のジャンルの中では女性はまだ物珍しいからか、希少なものを大切に扱っていただいているな、と感じる場面は多いです。

猪熊 エレナちゃんは、起業して正解だったと思っている?

七尾 はい!よかったと思うことばかりです。自分が関心を持った分野に、誰からもストップがかかることなく好きなように打ち込める。自分の人生を自由自在にデザインできるな、という醍醐味を日々感じています。

「社員を抱えて責任重大じゃない?」と聞かれることもあるけど、責任は会社員時代にもあったこと。責任のジャンルが増えただけで、それは苦しいことというより、むしろ楽しいことなんですよ。

猪熊 起業って結局、向き・不向きもあるよね。私もエレナちゃんも自由に働けて、新しく道を創っていくことが向いているタイプだから、リスクも楽しめちゃう。あと最近感じるのは、自分らしく働くというのは、自己実現のためじゃなく、「自分じゃないと社会の中で成し遂げられない領域」を追求することなんじゃないか、ということ。

最初は自己実現にとどまっているけど、だんだん社会の中で求められてくることが増えてきたり広がってきたりすると、よりその領域に近づいていく。それを毎日自然とできるところが、起業の醍醐味じゃないかな。

七尾 言われてみれば確かにそうですね。真理子さんのビジネスにおける信条を教えてください。

猪熊 私たちに期待されていることを理解するように努めて「常に期待以上で返すこと」かな。あとは、損得感情じゃなく、「人として誠実に向き合うこと」も大切にしている。エレナちゃんは?

七尾 「即レス」が信条です。

オファーが来たら、その場で即決して、すぐに返事を返す。それがいいチャンスをもらえる秘訣かなと思っています。前の会社で雇われ社長をしていたとき、「明日にでも返事をくれないとほかの子に依頼するから」みたいな場面が多くあって。

私なんかは所詮、コマの一つでしかない。替えはいくらでもいる。だったらすぐに返事することで一つでも多くチャンスをつかもう!そう考えるようになったんです。

大事な言葉を色分けしてマーキングしておく

七尾さん

猪熊 忙しい毎日だと思うけど、スケジュールの管理とかはどうしている?

七尾 6年前に買ったボロボロのMacBook Airで管理しています(笑)。これ、今はもうない型だけど、小さいし軽量だから、持ち歩くのにラクで。スマホも互換性を考えてiPhone です。

猪熊 そのiPhone ケース、可愛いね!

七尾 ERENAって名前入りにカスタムしたんですよ(笑)。このケースはキラキラで自己主張激しめだけど、可愛くて気に入っています。

七尾さん
七尾さん、猪熊さん、2人が愛用しているのがMacBook Air (11-inch, Mid 2011)。七尾さんはシンプルにデコレーションせず、Kindleのカバーなどその他の小物はピンクで統一。チェックの手帳は思いついたアイデアをパッと書き留めるのに便利だそう。

猪熊 私もMacBook AirとiPhone が欠かせない仕事道具。特にカスタムはしていないけど、使い方で工夫しているのは、Kindleかな。iPhone のアプリケーションでKindleを見るときは、読む本を全てフォルダ分けしつつ、大事な言葉をこうやって色分けしてマーキングして、スクリーンショットで撮っておくの。

猪熊さん
猪熊さんは、KindleをiPhone のアプリケーションで活用。ビジネス書を多く読むそうだが、必要なときすぐに資料として引き出せるように、マーカーやキャプチャを使うなど整理を怠らない。iPhone ケースは手帳タイプが彼女の定番。

色ごとに意味があって、最重要は赤、次が黄色、引用したいのが青。なぜそうするかというと、講演会の資料を作るときとかに、あの本のあの知識について触れたいと思ったら、どこにあるかすぐに分かるでしょ?

七尾 へえ、すごい!めっちゃ便利ですね。やろう、私も!

――仕事熱心なおふたりですが、お休みはちゃんと取れていますか?

七尾 クライアントワークなので、土日は休みです。

猪熊 私も土日が休みだけど、休日にイベントや講演で出張することも多いので、丸一日オフになるのは月に一度あるかないかです。

《ワーク・イズ・マイライフ》オンとオフは分けない主義

猪熊さん

――ワーク・ライフ・バランスに対する考えは?

七尾 考えたことがないです(笑)。ワーク・イズ・マイライフみたいな感じ。仕事が楽しいし好きだから、休日も仕事のことを考えています。もちろん遊ぶこともありますけど、それが仕事につながったりもするので、両者の垣根はないも同然ですね。

猪熊 私も一緒。オンとオフを分けない方が相乗効果もあるし楽しいかな。でもそれってたぶん、今は結婚していなくて子どもがいないからというのもあると思う。私は心配性なところがあるので、自分の将来のことを考えて、起業したての頃よりも、今は自分の時間の使い方を自由にしているの。

つまり、「自分の中で仕事をするべき時間以外で、自由にできる時間」を今のうちから増やしている。今はその自由な時間で人と会ったり、学んだりすることが多いのだけれど、そうしておけば、将来子どもができたとしても、その時間を子育てや家族の時間に充てられるんじゃないかと思って。

七尾 う〜ん、先を見据えていらっしゃいますね。私は現状、自分が結婚して子どもを産むという発想がまだないし、ママさんスタッフも身近で見てないから、そこまでイメージできないんですよ。そのときがきたらそのときで対処しよう、という感じで(笑)。

猪熊 私たちの会社は「赤ちゃんと一緒に働く」という取り組みをしていたので、その影響も大きいのかもね。でも「どんなふうに働きたいか」や「何が自分に向いていて、何が向いていないのか」を一人一人がわかっていくって大切なことだよね。みんながみんなオンとオフを分けた方がいいとも思わないし、みんながみんなオンとオフを分けずに相乗効果で頑張ろうとなるとも思わない。

私も経営者になって、いろんなメンバーをマネジメントする立場なので、メンバーそれぞれが、どんな働き方がより働きやすく、働きがいも感じられて、力を発揮できるのかを知りたいかな。

本人自身がわかっていない場合も多いけど、まずは本人が自分の取り扱い説明書を作るしかない。そして、それをちゃんと会社に伝えて、マネジメントする側もそういう環境をなるべく提供してあげることが大事なんじゃないかと最近考えているのよ。

七尾 真理子さん、すごい!勉強になります!

美人起業家

男社会の壁にぶち当たった過去があるかと思いきや、ふたりともさほど大きな苦労はなく、むしろ女性であるメリットを活かしつつ、のびのびと活躍している様子が印象的でした。さて、対談後編では、それぞれの結婚観や将来の夢、起業志望者へのアドバイスなどを語り合ってもらいます!

文:岡林敬太/写真:藤井由依

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