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起業後

2019年01月16日

中小企業の強い味方。補助金・助成金、活用できていますか?

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補助金・助成金

採用、教育、クラウド化、働き方改革、生産性の向上・・・。中小企業にとって解決すべき課題は尽きません。そして、その課題を解決するためには決して少額とは言えない資金が必要であり、経営者にとって大きな悩みでもあります。

国は、そうした課題を解決する数々の助成金、補助金制度を整え、中小企業の経営改善を後押ししています。しかし、それらの制度のほとんどは、肝心の中小企業に利用されていないのが事実です。

そんな中、2002年の設立以来、ブログなどのコンテンツ制作、マーケティング、SEOなどの分野でサービスを提供してきた株式会社ライトアップでは、補助金や助成金といった公的支援制度の活用支援サービス“Jマッチ”を提供し、多くの中小企業のサポートに積極的に取り組んでいます。

制度があることは知っていても申請方法が煩雑な公的支援制度。その活用にはどんなメリットがあり、具体的にどんな支援が存在するのか。あなたの企業は申請に見合った会社であるのか。

株式会社ライトアップの執行役員、杉山宏樹さんに、ビズテラスのプロジェクトメンバーであり、アクセラレーター事業を展開するクラウドカンパニー株式会社で自らもスタートアップ支援を手がける中道大輔が話を聞きました。

補助金、助成金を使っている企業は全体の5%以下

杉山さん

中道 そもそも、全く違う事業でスタートした御社がどうしてこの事業を始めることになったんですか?

杉山 創業以来やってきた大手企業向けのコンテンツ受託制作で蓄積したノウハウをもとにSEOツールをリリースしたことがあったんですが、そうしたら中小企業の顧客がどっと増えたんですね。そのときに、2つの発見があったんです。

ひとつは費用の問題。1ヵ月9,800円のツールでも高いと言われてしまう。じゃあいくらならいいのかというと、当たり前ですが「タダならいい」と。中小における資金難が顕在化していたことを知ったわけです。そしてもうひとつは、SEOとかIT以前の、事業のもっと根幹の部分に経営者の悩みがあったということです。例えば採用とか教育といったような。

ならば、ツールではなく経営そのものに支援軸が移るような事業をやるべきでは、ということで始めたのが“Jマッチ”です。まずはお金を生み出すところを支援しなければ、せっかく便利なITツールを作っても普及しないということに気づいたわけです。

中道 ビジネスモデル的にはどうなっているんですか?

杉山 ケースにもよりますが、おおよそ30万円ほどのコンサルティング料金をいただいて、公的支援の取得サポートや人事コンサルをします。経営課題をヒアリングして、約3,000種類もある膨大な数の助成金や補助金の中から課題に見合ったものを探すという流れです。必要であれば、その先の採用や教育の支援もお手伝いしています。

中道 助成金がもらえた際にはマージンも発生するんですか?

杉山 いえ。それは法律違反にあたるので一切いただいていませんが、申請の書類を作成する社会保険労務士さんには業界平均の半分程度の手数料を直接お支払いいただいています。通常、単発で社労士さんに依頼すると20~30%の手数料が発生することが多いんですけど、うちでは手続きの仕組みをできる限りフォーマット化して、社労士さんの手間を減らすことで手数料を抑えて頂ける方が多いです。

中道 現状、全国でどのぐらいの企業が公的支援を利用しているんですかね。

杉山 我々は47都道府県全てで助成金のセミナーを開催しているんですけど、そのときに「助成金を使ったことがある人いますか?」って聞くんです。10%も手が上がりませんね。5%ぐらいかな。あくまで肌感覚での話ですが、興味のある人が集まるセミナーの会場でさえその程度ですから、利用経験があるのはおそらく日本の企業全体の5%以下じゃないかと思います。

中道 せっかくの制度なのに、どうしてそんなに使われていないんですか?

杉山 まず、どんな助成金があるのか、その内容が知られてないというのが事実ですよね。数年前までは役所に貼り紙で公示されるだけでしたから。最近ではインターネットで簡単に情報が見られるようになりましたけど、今度は情報量が多すぎて埋もれるようになってしまいました。検索して出てきた情報が2~3年も前のものだったりすることもよくあります。しかも、助成金ごとの説明も膨大で、それを読むうちに「気持ちが折れてしまった」というお声はよく伺います。ネットの中から今の会社の課題に合った情報だけを拾い出すというのは、専門家でもなければ不可能に近いと思います。

社員数1名の会社でも年間1,000万円支援を受けたケースも

中道さん

中道 どんな会社からの相談が多いですか?

杉山 中小零細系がほとんどですね。最初はざっくりとした相談がほとんどです。「何か使えるものはないですか?」とか、「こういうものを買うために使える補助金はありますか?」とか。自分で調べてみたものの結局わからなくて問い合わせをいただくケースが多いですね。

中道 そもそも補助金や助成金の制度自体が中小企業をターゲットにしたものですもんね。

杉山 はい。助成金は雇用保険料、補助金は法人税が財源になっていて、大手企業が納めたそのお金を中小企業に還付しようというのが、そもそものコンセプトです。国が設定しているターゲットは100人以下の会社ですけど、うちで実際にお手伝いしている会社のほとんどは20名以下の組織です。

中道 どんな補助金、助成金が手厚いんですか?

杉山 社員の教育をするともらえる助成金は毎年出ていて、申請も比較的しやすいですね。それから、スタッフを採用するともらえるもの。これが二大巨頭です。

中道 金額的にはどれぐらいですか?

杉山 ひとつ当たりの金額は、どれも50万円から100万円程度です。ただ、条件によっては複数種類もらえるので、1社当たり3~5種類ぐらい申請して、トータル300万円前後受け取るというケースが多いですね。マックスだと、親父さん一人で経営していた工務店が一気に7人雇い入れるタイミングで合計1,000万円ぐらいもらった例もあります。

中道 すげえ。工務店やろうかな(笑)。対象は法人だけですか?

杉山 いえ、個人事業主でも可能ですよ。助成金は人を雇っていればもらえることが多いですし、補助金は雇用ゼロでも構いません。

中道 ほかにも中小企業にとってプラスになりそうな公的支援はあります?

杉山 これはうちでも使おうと思っているんですが、育休系の助成金ですね。1人当たり70万円ぐらいもらえます。それと、60歳以上を雇用した場合のシニア系の助成金。最近は採用難ですから、対策としてシニアの方を雇用する会社にとってはメリットがあると思います。

生産性を上げるITツール導入の助成、補助がトレンドに

杉山さん

中道 でも、おそらく僕が支援しているようなスタートアップはハマりにくいですよね?

杉山 イケイケのスタートアップベンチャーの場合はすでに調達ができているケースが多いですからね。でも、例えばスケジューラーや財務系のシステム、MAツールの導入などであれば、スタートアップの方にもハマるものがあると思います。社員の生産性が高まるようなITツールの導入の助成、補助は今期からトレンドになっていて、来期さらに拡充されると思います。

中道 勤怠ツールとかチャットボットとか、決算システムとか、テレワークで使えるシステムとかですかね。

杉山 はい。これらは今まで補助金しかなかったんですが、来年は助成金にも拡充されます。経済産業省が出しているデータによれば、ITツールを活用している企業の利益の伸び幅は、活用していない会社に比べて1.5倍ぐらいあるそうです。じゃあどうしてITツールを入れないかと言うと、1番には「金がない」次には「詳しい人がいない」。それでITを入れていないというケースがほとんどなんですよ。だから国は、まず導入の費用を工面してあげようとしているわけです。これは今後、非常に手厚い分野になると思います。

中道 今、クラウドカンパニーで1月起業の会社のサポートをしてるんですけど、その会社が今500万円でシステム開発をしているんですよね。1月に設立して当面は代表一人でやって、開発しているシステムのベータ版が4月にできて、夏ぐらいには数人雇おうかという流れなんですけど、その場合に使えるような補助金や助成金ってありますか?

杉山 もう開発を発注してしまっているということだと無理なんですけど、システムを構築するにあたってエンジニアの外注費を申請すると、その3分の2ぐらいが補助される「ものづくり補助金」があります。さらに、開発したものの広告を出したいときには「小規模事業者持続化補助金」というものが使えて、これが50万円ぐらい。そこから人を採用するとなれば採用の助成金で1人当たり50~100万円。さらに人が入ったことで働きやすい環境を作るための助成金が200万円ぐらいもらえますね。

中道 発注前に知りたかったな(笑)。スピード感があり過ぎた(笑)。

杉山 補助金の場合、スタートアップのスピード感はネックになると思います。補助金が取れたらやろうかな、取れたらラッキーだなぐらいのスケジュール感がベストですね。

申請することにはトラブルを回避するメリットもある

杉山さん中道さん

中道 もらえない事例というのもあるんですか?

杉山 もちろんありますが、助成金は基本的に、常識と条件さえ満たしていればもらえるものです。労務違反や犯罪行為、うそなどがなく、出すべき書類さえ揃っていればもらえます。一方、補助金は審査制です。どれだけいい計画を書くかで決まってくる。大学受験の筆記試験と同じですね。

今、残業代未払い訴訟が流行ってるじゃないですか。訴訟を起こされた場合、就業規則がなかったら負ける可能性が限りなく上がります。でも、助成金の申請するときって就業規則がないと申請できないので、必然的に就業規則が出来上がるわけです。その他にも労務管理に必要な書類が全て揃えられている状態になるので、変な訴訟に巻き込まれにくくなるんですね。まさに社労士さんが活躍する分野ですね。

中道 会社としてリスクヘッジしつつ、経営基盤、労務環境を整えることにもつながると。

杉山 はい。ですので、国からお金をもらうこと以前に、まずはもらえる環境に向けた土台作りをさせていただくことが、我々の最初のミッション。補助金や助成金を使ってどんな経営課題を解消するかというのは、むしろ次のフェーズということになります。

中道 ある意味「保険」ですね。

杉山 おっしゃる通り。公的支援を申請するということは、社長を守る盾を作るような意味合いも持っているんです。

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取材・文:髙橋晃浩

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