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起業後

2019年02月07日

ベルフェイス取締役が提案する「2020年展示会場問題」解決への道

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西山直樹さん中道大輔さん

“5秒でつながるオンラインルーム”のキャッチコピーのもと、対面営業を超える成果を生むインサイドセールスシステムを開発・提供し飛躍的な成長を見せるITベンチャーのベルフェイス株式会社。2018年には照英さんが出演するCMを大量展開しましたが、そのCMによってベルフェイスの存在を知った方も多いのではないでしょうか。

「ベルフェイスは展示会との相性がいいんです」

同社の取締役兼マーケティング事業部長である西山直樹さんは、自社のサービスをそう語ります。事実、展示会で獲得した名刺から多くの新規顧客開拓を実現してきたそうです。しかし今、ビジネスシーンでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの影響により東京ビッグサイトなどの大きな展示会場が使用できないことに対する危機感が高まり、大きな問題となっています。

関連記事:2019~2020年B2B向け展示会中止問題。このピンチはこう乗り越えよ。(BizTERRACEマガジン)

展示会によって多くのリードを獲得してきた企業にとっては業績を大きく左右しかねないこの問題を、どのように乗り越えたらいいのか。また、ベルフェイスはどのような対策でその問題に備えているのかについて、ビズテラス プロジェクトメンバーの中道大輔が直撃。西山さんは、3つの観点からその解決法を語ってくださいました。

西山 直樹(にしやま なおき)

ベルフェイス株式会社 取締役マーケティング事業部長
2007年新卒にて当時営業支援会社として初めて上場を果たした(株)セレブリックスに入社。大手IT企業のインサイドセールス部隊構築支援を中心に、延べ80プロジェクトの新規セールス部隊立上げに参画。200名を超える営業担当者の採用やマネジメントに従事。2015年同社を退職し、ベルフェイスの立ち上げに参画。現在は マーケティングチームとセールスチームを管掌。twitterはこちら

中道 大輔BizTERRACEメンバー

ソフトバンク株式会社法人マーケティング本部 新規事業戦略室。Yahoo! JAPANや、ベンチャーを経て、ソフトバンクにジョイン。新規事業の立ち上げを専門とし、本業・兼業問わず多くのプロジェクトに参画。twitterはこちら

対面営業と変わらない環境をオンラインで実現

西山直樹さん

中道 僕自身も前職で営業の責任者をやっていたときにベルフェイスさんのサービスを導入させてもらったんですけど、最近はかなりセールスが順調そうですね。あれからさらに機能も増えてると思うんで、あらためてサービスについて教えてもらっていいですか?

西山 はい。ベルフェイスは営業に特化したWEB会議システムを開発・提供しています。無料のTV電話サービスがたくさんある中、この3年で約800社から有料契約をいただき、現在約2万のユーザに使われています。売り上げでいうと、1期目から2期目、2期目から3期目で、300%、300%のペースで伸びています。

中道 すごいっすね。なぜそこまで選ばれてるんですか?

西山 一番の違いは、営業先の人にソフトをインストールしてもらったり、事前にメールアドレスを聞き出してURLを送ってそこからIDの取得をしてもらったり・・・といった手間が必要ないところです。ネットがつながるPC、スマホ、タブレットさえあれば、共通の画面を見ながら商談をスタートできます。普段営業で使う資料を好きなだけセットアップしておいて、それを「ブラウザ同期」という技術を使ってお客さんの画面とリンクさせることで、お客さん側も一緒にページをめくっているような、対面で話をするのと何ら変わらないような環境をオンラインで実現しています。

中道 営業に特化したサービスというのはほかにはないんですかね?

西山 意外とないんですよね。よく「Skypeと何が違うの?」と聞かれるんですけど、営業に特化している点で全く違っていて、例えば、申込書だけじゃなく規約とか書面の読み合わせも画面上でできますし、その書面をお客さん側でダウンロードしてもらえれば、後からわざわざ別途メールに添付して送るという手間も省けます。

中道 どんな業界のお客さんが多いですか?

西山 やっぱり最初は大手のIT企業さんでしたね。わかりやすいところだと楽天さんとかサイバーエージェントさんとか。あと、最近はNTT東日本さんがかなり使ってくださってます。特に東北方面において、冬の時期は寒いし雪も積もるし、なかなか営業に行けなくなっちゃうんで、全部オンラインに切り替えようという動きが強まっています。

SMBC日興証券さんなどの金融系のお客さんも最近増えてきていますね。セキュリティ的に厳しい業界ですけど、相手側にログインをさせない仕組みがセキュアだということで、よく使っていただいています。

仲間で手を取り合ってスモールなイベントを作ってみる

中道大輔さん

中道 ところで、御社では東京ビッグサイトで開かれるような展示会にも出展されてますよね?

西山 出してますよ。2017年は1回。2018年は3回出しました。ブースも3コマとか4コマとか、けっこう広めに取ってます。

中道 名刺はどれぐらい獲得できます?

西山 展示会の内容にもよりますけど、「営業支援EXPO」っていうドンピシャの展示会の場合、会場がビッグサイトで、かつ場所的にもいいブースを取った時で、総数1200枚ぐらいでした。

中道 ビッグサイトが使えなくなるのはご存じでした?

西山 もちろん知ってました。

中道 リードを取るという観点から言うと御社にも影響はありそうですか?

西山 そうですね。マーケの認識としては全体の15%ぐらいが展示会っていう感覚で、割合でいうとそんな大きくはないようには思えるんですけど、うちのサービスは展示会と相性がいいと思ってるんです。Webサイトだけをパッと見てもらっても、「あ、Skypeみたいなやつか」で終わっちゃうんですけど、展示会ならその場で体感してもらえますからね。受け手として体感した人の資料請求って、やっぱり温度感が高いですから。

しかも、毎回けっこう早い段階で出展の経費が回収できているんです。展示会後3ヵ月から半年くらいでペイできてます。そう考えると、やっぱりなくなるのは痛いですよね。

中道 CMを出稿したりしてブランディングもしっかりやられてるから、僕の感覚では展示会依存が少ないのかと思ってました。となると、展示会からの15%分をどう補っていく予定ですか?

西山 展示会に近いようなイベントは自分達でもできるんじゃないかと思っていて、実はすでにそうしたイベントも始めています。例えば2018年には、ビズリーチさん主催の「インサイドセールスカンファレンス」という2000人規模のイベントに、アドバイザリーボードとして関わらせていただきました。
また今年に入ってからは、ベルフェイス主催で1,000名弱の集客をして、インサイドセールスの単独イベントも開催しました。

そもそもインサイドセールスに興味を持ってくれた人たちが集まったので、数万規模とまではいきませんが、質の高いリードが獲得できました。そんなふうに、有志でコミュニティを作って一緒に世界を広げるような場はいくらでも作れると思うので、そういうもので補っていくのがひとつだと思いますね。

中道 これから主流になってくるのは、ビッグサイトみたいな大きいハコでいろんなものを同時に展示するというイベントではなくて、テーマカットしたスモールなイベントかもしれないですね。カスタマーサクセスならカスタマーサクセス、インサイドセールスだったらインサイドセールスっていう感じで。

西山 その方が、リードの数は減ってもリードの質は良くなると思います。今はSNSなどでいくらでも拡散できますし、仲間で手を取り合って、みんなでやっちゃえばいいんじゃないですかね。

SNSでコツコツと情報発信することも重要

西山直樹さん中道大輔さん

中道 西山さんはTwitterでも積極的に情報を発信されてますけど、メンバーの方々もそれぞれTwitterのアカウントで情報発信されたりしてますか?

西山 みんなやってますよ。SNSって本当に馬鹿にできない、むしろ超重要だなって思います。実際、僕のツイートを見てけっこうな数の人が来ますからね。

中道 ベルフェイスのアカウントで情報を発信するんじゃなく、ベルフェイスの西山さんが自分のアカウントで情報発信してるからこそ情報に確実性や信頼度があって、みんなが「いいね」をしたくなったり、申し込みをしたくなったりするんですよね。

西山 そういう発信を地道にコツコツやることにはとても価値があって、そこにプラスしてテレビCMみたいなものが連動していくと、さらに確度が増していくんだと思います。

中道 展示会っていうリアルな場がなくても認知してもらえる時代だと。

西山 展示会には展示会の価値があると思いますけど、会場が使えなくなる以上は、そうやって工夫して乗り越える必要があるんじゃないですかね。

活かせていない過去のリードを掘り起こす

西山直樹さん中道大輔さん

中道 でも、そこまで対策がいろいろできていることを考えると、またビッグサイトが使えるようになった場合に戻る必要もなくなってくるんじゃないですか?

西山 それとこれとはまた別なんですよね。展示会でしか会えないお客さんというのも、やっぱりいるので。

中道 地方のベンダも出展もするし、地方から泊まりがけで展示会を見にくる人もいますもんね。展示会の時期って、あの周辺のホテルが満室になりますもん。展示会ができなくなることが痛いと感じているのは、むしろその人たちかもしれないですね。彼らのような場合はどうすればいいと思います?

西山 まだあまり広まってないですけど、バーチャル展示会とかですかね。本来はオンライン上の展示会がもっと世の中に広まってしかるべきだと僕は思います。アナログな展示会が淘汰されるぐらいに。でも広まってないのはなぜだろうって考えると、見てもらう・体感してもらうリアルなデモンストレーションがやっぱり重要なんだというところに行きつくんですよね。うちもそうですけど、体感なしだと「Skypeに似たようなもんでしょ」で終わっちゃうところが、リアルだと確実に届けられるんで。

中道 やっぱりフェイストゥフェイスって大事なんですね。そう考えると、これまでの展示会で集めたリードをあらためて見直すということも必要になってくるかもしれないですよね。

西山 それはありますね。絶対に営業しきれてないですから。

中道 もらった名刺をそのままにしてしまってる会社って絶対多いですよね。もちろんアップデートもされていないでしょうし。

西山 前職では営業支援にも関わっていたんですけど、展示会が終わった後に本当に何もしていない会社があって、びっくりしました。出展で高いお金を払っているのに。

しっかりやれば絶対に差別化が図れるはずです。リードを効果的に生かすにはノウハウも必要ですが、そうしたノウハウはネットで調べればいくらでも勉強できますし、情報はTwitter上にもいっぱい転がっています。知見のある人に連絡をしてみたり、場合によってはお金を払って勉強させてもらってもいいでしょうね。それくらい本気でやる気持ちさえがあれば、過去のリードに遡って営業をし直すだけでも、展示会場問題はかなり解決できるんじゃないかと思います。

取材・文:髙橋晃浩

西山直樹さん中道 大輔さん

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